ミンキーのひとりごと

  

母を亡くしてひとりになったシルバーのひとりごと

引き取りまで

食事の後戻って母の側に座った。


やれることはやった。


白い布を取って母の顔をゆっくりと見た。


しばらくして死亡診断書を渡された。
費用がいくらか尋ねたら、
後で請求書を送りますとのこと。
失くしてはいけないので、
車のダッシューボードへ入れに行った。


することがない。


亡くなったというのに数珠もない。
やはり先に亡くなったこと言ってほしかったよ。


2時半頃いつものおむつ交換が始まった。
当然、母のところには来ない。


座って母を見ていると、
布団が時々息をしているように
動くように感じた。


また白い布を取って顔を見ると
やすらかな顔をしていた。
生前は眉間にしわがよるとよく言われたが
今は眉間にしわもなく、おだやかな顔で
安心して寝ているようだった。


今日は歯科訪問日、先生と歯科衛生士さんに
挨拶して帰ろうかなと。


そういえば顔見知りの看護師さんが見当たらない
夜に来ることが多かったので
顔見知りは夜勤する看護師さんが多い。
5時ぐらいになれば会える…でもそれまでいない。
残念!!


時間通り3時に葬儀屋が引き取りに来た。
寝袋のような灰色の袋に
男二人が持ち上げて母を入れた。


「重いでしょう」と私が
「まだ温かい…」と言いながら運んでいった。


エレベータ前で歯科衛生士さん二人にあったが、
挨拶する暇がなくすぐにエレベータに乗り込んだ。
運ぶ人がとにかく速い…ベテランやな。

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