自宅へ
車でひとり自宅へ向かう。
暖房の入った部屋に母が
そのままにされているのが嫌になっていた。
ほかの元気な入所者の声が聞こえてくるのが
非常に辛く悲しかった。
葬儀屋さんが運び出してくれたので
やっと静かになり安心した。
あわてて事故を起こさないように
慎重に運転するよう何度も
心のなかで繰り返した。
家の近くで近所の人とすれ違って目が合ったが
声をかけなかった。
なにを言えばよいか…わからない。
そのまま家に行き
バタバタと荷物を入れた。
片付けは後だ
荷物を空いてるところへ置いていく。
死亡診断書と認印があるのを確認して、
それを持ってすぐに葬儀場へ向かう。
母をひとりにしておけない。
不安がっていないか
心配でしかたがなかった。
亡くなった実感がまだなかった。