出棺
打合せでは喪主の私が白木位牌
1番目の妹が遺影を持つことに。
2人の手荷物は2番目の妹が預かるはずだったが
妹は悲しみで動揺したか忘れている。
頼める状態ではない。
目を赤くした姪と目があった。
荷物を預かってもらうように頼んだ。
急かされるように棺は1階の出口へ
エレベータで運ばれた。
全員集合したところで
棺は霊柩車へ入った。
喪主の私は助手席へ座った。
シートベルトをして位牌を持ち直した。
父の時と同じだ
しかしイライラした気持ちはなく
冷静で悲しい。
後の親族はマイクロバスで
火葬場のある斎場へ向かった。
「天気がよくてよかったですね」
と霊柩車の運転手に声を掛けた。
「天気がよいのがいいかどうか…。」
と返ってきた。
父の時も晴れていた。
そのまま黙って斎場まで乗っていた。